ロシアの核
表紙の終末時計で知られる原子科学者会報(Bulletin of the Atomic Scienntists)には毎号巻末に数ページのNuclear Notebookの項目が掲載され世界の核兵器関連資料を見ることが出来ます。新しい信頼できる資料と言われています。その最新号 3/4月号(2007)に「ロシアの核兵力、2007」があるので、一部紹介します。
戦略核兵力
大陸間弾道ミサイル(ICBM)
Type Name Launchers Year deployed Warheadsxyield(kilotons) Total Warheads
ss-18 Satan 80 1979 10x550/750(MIRV) 800
ss-19 Stiletto 126 1980 6x550/750(MIRV) 756
ss-25 Sickle 242 1985 1x550 242
ss-27 Topol-M 42 1997 1x550 42
ss-27A Topol-M1 3 2006 1x550(?) 3
493 1,843
潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)
ss-N-18 M-1 5/80 1978 3 X200(MIRV) 240
ss-N-23 6/96 1986 4X 100(MIRV) 284
11/176 624
爆撃機 78 872
配備核弾頭数、総計~3,339
このほかに戦術核約2、330、また配備からはずされたり、分解されている弾頭が約9,300あるのでここれをいれて約15,000発と推定されています。
プーティンは核兵力は敵対国とのバランスを考慮するが、それは核兵器や弾頭の数より、質が重要だという。ロシアは戦略核弾頭数を2007年の3、339から、2012年には2,053、2020年1726に削減する計画だと言います。
しかし2006年12月に実戦配備した3基の大陸間弾道ミサイルTopol M1sを廃棄するss-25と取り替え、2015年には50基にするといいます。
それではTopol- M1sはどのような性能のものでしょうか。ロシアは地下に発射基地を持つアメリカとちがって、軌道上を移動できる列車に主力を置いてきました。Topol-M 1sはさらに改良したもので、主に森林地帯の10平方キロメートルを移動できるのみならず、新しい偽装法によって、上空から探知することは不可能だといいます。
核不拡散条約に違反して核開発するのは、アメリカがポーランドとチェコにミサイル防衛(MID)のレーダーと迎撃基地をおく企画をしているからだと言います。ミサイル迎撃は大気圏(地上から約80キロメートル)までほぼ鉛直に上昇するブースト段階が速度が遅いので最も重要です。弾頭をレーザーやミサイルで破壊するのには発射地点に近いほど有利です。アメリカが意図するポーランドやチェコにMID基地が置かれれば、ロシアの重要なヨーロッパ域のICBM発射基地をカバーし、核兵力のバランスを害うという懸念から、その対抗措置として、発射地点が特定できず急速に移動できるTopol-M1を開発増強するというのが
がロシアの言い分です。
| 固定リンク
最近のコメント