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2006年6月26日 (月)

核問題1(その1)

日本の原子力政策―核燃料サイクル方策の問題点

 日本の原子力政策は原発の使用済み核燃料をそのまま安全に保管する直接処分法でなく、燃料棒を破砕し化学的に処理して、残っているウランと原発運転中に生成したプルトニウム(Pu)を取り出して利用する核燃料リサイクル方策を当初から一貫して追及してきました。しかしこれには幾つもの問題があります。

まずこの政策の前提となる高速増殖炉(FBR)です。プルトニウム(Pu)を燃料とする高速増殖炉は、消費したPuより多くのPuが生成されます。ウランを海外に依存する日本にとってエネルギー資源確保の要請に応えるものである、というのが理由です。増殖炉は夢の原子炉として多くの国が開発を競いました。しかし技術的に極めて困難で、さらに事故によって、強い放射能で化学的にもきわめて有毒なPuが飛散すればその被害は想像を絶するものになります。事実米国はフェルミ炉が66年事故を起こして以来取りやめました。最も開発が進んだフランスも実証炉の段階まで行きながら中止しています。それにも拘らず日本はあくまで高速増殖炉の開発に突き進んできました。しかし一部の原子力専門家が予想したように、原型炉「もんじゅ」は95年ナトリウム漏れの事故を起こし、再開の目途すら立っていません。

もともと高速増殖炉で消費するプルトニウムは「もんじゅ」で年間約500キログラム程度です。もうすでに既存の原子力発電所の使用済み核燃料の再処理で43トン(海外委託を含む)という長崎型原爆約5000発分ものプルトニウム量を所有しているのです。「もんじゅ」並みの増殖炉数基が二、三十年かかっても使い切れない量です。プルトニウムの所有は国際的にも認められない問題であることは言うまでもありません。  

過剰な量の辻褄あわせにプルサーマルという原発で使用する苦肉の策をこうじているのです。プルサーマル問題は後に改めて書くことにします。

 不可解なのは、さらに年間8トンのプルトニウムを取り出す六カ所村再処理工場を建設したことです。イランや北朝鮮では大騒ぎになっているウラン濃縮や再処理が、国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れているとはいえ、日本のみ許容されているのは国際的に見て特異な状態にあると言えるでしょう。加えて過剰なプルトニウムを所有することは、核不拡散条約の崩壊が懸念されている現在、国際的にも疑惑を招く重要な問題であります。この特異な状態については日米間の驚くべき協定の事実があります。これについても後に書きます。

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コメント

 はじめまして。 早野ぽんぺい です。

 具体的な発言に敬服します。私は原発の詳細については存じていませんが、も
しもの事故があるゆえに原発に反対します。再生可能なクリーンエネルギーにす
べきだと思います。一度事故がおきると被爆者は何十年も苦しまなければなりま
せん。また汚染物質はそれ以上にこの地球に残ります。中国をはじめとする経済
発展途上国による石油の大量消費により、安易に原発を容認する傾向にあります
が私は絶対に反対です。

 私のブロブを一度見てください。

投稿: 早野ぽんぺい | 2006年9月25日 (月) 14時41分

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