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2006年7月 5日 (水)

核問題1(その5)

グリーンピース・レポート「不法なプルトニウム同盟」の紹介(1)

  1994年9月に発表されたグリーンピース・レポート「不法なプルトニウム同盟」は米国、日本政府に大きな衝撃を与えました。その内容を紹介します。ここに指摘されたことは現在もまだ日本の原子力政策の底流として存在すると考えるからです。

  A4版、60ページおよび付録7ページからなるこの小冊子の序言はストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の前所長、Dr.Frank Barnbyが書いています。長くなりますが引用します。「核の拡散、とくにプルトニウムと兵器転用可能技術の拡散は国際体制にとって最重要問題である。

  この報告書は二つの問題に焦点を当てている。第一は、プルトニウム強国として出現してきた日本の脅威。日本は、最先端で高精度の核兵器を作るために理想的な、高品位のプルトニウムが得られる新しい再処理施設の建設を、間もなく始めるであろう。」

  「第二には、日本の新しいプルトニウム抽出工場のアメリカ合衆国から不法にあたえられた“機微な核技術”による運転。アメリカから日本へ提供された技術は、サバンナ・リバー核施設とオークリッジ国立研究所を含む核兵器研究所で開発され、合衆国の核兵器のためのプルトニウムの製造に用いられたものである。

  このような技術は、合衆国の核不拡散法(NNPA1978年)でも日米原子力平和協力協定(1987年)でも、輸出と移転が禁じられている。核不拡散法はアメリカ合衆国の核不拡散政策の中心的基礎をなしている法律である。」  

極めて重大な指摘に対して米エネルギー省は9月9日、技術移転の違法性について60日以内に調査し公表すること、日本とのプルトニウム再処理と高速増殖炉開発の技術協力を段階的に縮小することを明らかにしました。このグリーンピースの指摘の重大性とアメリカ当局の素早い対応は、世界を驚かせました。

これに慌てふためいた日本政府は直ちに使節を送ってアメリカ政府との協議にはいりました。(以上は藤田祐幸氏の所論による)

その後、アメリカエネルギー省は違法性を明確にせず、日本は計画を速め東海村再処理工場の問題の施設はリサイクル機器試験施設(RETF)の名のもとに完成した。

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