« 核問題1(その6) | トップページ | 核問題1(その8) »

2006年7月16日 (日)

核問題1(その7)

グリーンピース・レポート「不法なプルトニウム同盟」の紹介(3)

  いまではNPT崩壊の危機にあっても米国は関心を示さなくなっていますが、グリーンピース・レポ-トが発表された1994年は、核不拡散条約(NPT)の再検討会議1995年を前にして、いまと違ってアメリカは非核保有国の反対に逆らってNPT無期限延期を強く主張していました。また核拡散への懸念は国際社会の共通のものでしたから、このレポートは一際驚きをもって受け取られたのです。レポートの記述にもどります。

   前回のリサイクル機器試験施設(RETF)での協力についての協定(1987年1月)に先立ち、1985年から核燃料、核物質の開発に関する協定の特別覚書が米国と日本の間で調印された。これは米国が「もんじゅ」の炉心とブランケットの燃料集合体の設計で重要な助力をする基本になった。3つの集合体(2つは核燃料集合体、1つはブランケット集合体)についての、ハンフォード高速中性子束試験施設(FFTF)での照射実験を内容とする。

   

   リサイクル機器試験施設協定(以下、協定と呼ぶ)での共同研究の中心はオークリッジにあったが、日本と取り交わされた協定の範囲には、米軍と民間の核プログラムがある、ロスアラモス国立研究所、アルゴンヌ国立研究所、サバンナ・リバー施設、ハンフォードが含まれていた。オークリッジ国立研究所はマンハッタン計画および冷戦時代全般にわたって、米国の核開発の主力センターの1つであった。

   5年間の研究開発計画のために、エネルギー省と動燃から500万ドルの研究予算と研究員がオークリッジ国立研究所に投入され、後期の段階でオークリッジ国立研究所は日本における施設の建設、および運転を支援することになっていた。

   その計画の焦点は高速増殖炉再処理技術、特に核分裂生成物を分離して使用可能なウランとプルトニウムを高速増殖炉使用済み燃料と高速増殖炉ブランケットから回収する技術を開発し、発展させることであった。

 

   協定のおかげで、エネルギー省は米国の納税者が30年以上、約16億ドル財政負担をしてきた高速増殖炉と再処理計画を一定期間保持することができた。また共同研究を推進した前の責任者、オークリッジ国立研究所の核燃料リサイクル部長ウィリアム・バーチ(William Burcu)は「二国間協定は互いに有益であるだろう。日本は米国との協力によって再処理技術の開発期間をスピードアップすることが可能であろうし、恐らくいくらかの予算を節約することにもなろう。米国にとっては我々研究者をゲームに参加させ続ける方法となる。」

    米エネルギー省の担当官は1994年8月末グリーンピースに対して次のことを確認した。少なくともリサイクル機器試験施設に対して鍵となる再処理技術の1つが、米エネルギー省のサウスカロライナ州サバンナ・リバー核兵器工場で開発され、テストされた。この工場の主たる役割は、米国の核兵器に必要なプルトニウムとリチュウムを提供することで、プルトニウムと高濃度のウランの分離を行う2つの再処理施設があった。--その一つの施設で遠心分離接触器は開発されホットテストが行われた。この接触器は米エネルギー省のアルゴンヌ研究所でさらにテストされ、それから日本のリサイクル機器試験施設で使われるために動燃に供与された。

  遠心分離接触器はリサイクル機器試験施設の稼動に不可欠で、米国核兵器計画と日本の”いわゆる”民生用プルトニウム利用計画が結合した明らかな例である。        (次回に続く)

|

« 核問題1(その6) | トップページ | 核問題1(その8) »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 核問題1(その7):

« 核問題1(その6) | トップページ | 核問題1(その8) »