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2006年7月22日 (土)

核問題1(その8)

グリーンピース・レポート「不法なプルトニウム同盟」の紹介(4)

  協定文と付帯文書を詳しく調べた結果、アメリカから日本へ少なくとも2回は実際に機器が輸出されたという事がわかった。とくに、燃料解体装置と遠隔抜き取り装置の2つは東海村で試験され、リサイクル機器試験施設に装着される予定である。

  『通常の軽水炉の使用済み核燃料を再処理して取り出すプルトニウムはPu239のほかにPu240を多く含みます。Pu240は自発核分裂をするため早期爆発の可能性が高く、軍事目的には不利です。原子炉級プルトニウムといわれます。それでも核兵器に使用できないわけではありません。アメリカが核兵器で使用していたものは、Pu240が約6%の純度で兵器級プルトニウムと呼ばれます。ところが東海村のリサイクル機器試験施設はそれを上回る、Pu240が2~3%の超高純度プルトニウムをもたらします。』

  日本の再処理プルトニウム(2010年までに110トンを越える)は、すべて兵器利用可能であるということは繰り返し指摘しなければならないけれども、リサイクル機器試験施設は明らかに原子炉級プルトニウムよりも軍事的に有利なのである。10年間の運転の後には「もんじゅ」から約700kgの超高純度プルトニウムを取得するだろう。これは爆発力が少なくとも20キロトン相当の核弾頭230個以上を保有するに十分な量を持つことになる。このような取得を必要とする商業的正当化の理由としては“将来の高速増殖炉のために好ましい燃料は兵器級プルトニウムである。とでも言うのであろうか。軍事的正当化は“これは素晴らしいプルトニウムであり、日本の威力と作動性の両面から、最も信頼性の高い核兵器を持つというオプションを与える”ということである。

  日本の非核三原則については繰り返し述べられてきたが、法律的根拠はどこにもないし、日本政府自身「核兵器保有は日本の憲法に抵触するものではない」と明らかにしている。

  リサイクル機器試験施設を擁護する議論の一つは、プルトニウムの軍事利用への拡散を不可能にする方法とされている準リアルタイム計量(注)を含む、最先端の完全な国際原子力機関の保障措置の下で施設を運転するから大丈夫というものであろう。

(注)『1978年以来、東海村再処理プラントで自主的に行われてきました。そこで集められたデータは、動燃、日本原子力研究所、国際原子力機関(IAEA)によって評価されます。』 

しかし、1993年武藤外務大臣が示唆したように、日本が公式に核拡散防止条約(NPT)から脱退し、蓄積したプルトニウムを軍事目的にしようすることもあり得る。

   

   ワシントンにある核管理研究所から指摘されて、動燃の担当官は東海村の高速増殖炉プルトニウム燃料製造工場内で、5年間にわたって70kgの酸化プルトニウムが蓄積された事をしぶしぶながら認めた。国際原子力機関はそのプルトニウムが「行方不明物質(MUF)」であることを否定し、「残留物」であって依然として保障措置の下にあるとした。残留物は工場の内部の露出面に集積したプルトニウムの塵のあつまりであろうという。

   驚くべき事に、国際原子力機関は動燃がプルトニウムを除去せずに工場の中に残す方を選んだという声明を発表した。残留物質という名の行方不明プルトニウムを、低濃度放射性廃棄物用の容器に隠し、その容器を不適切な査察のおかげで工場から運び出すというやり方で、日本がプルトニウムを転用することができるという指摘もされている。

   このような東海村に関する顛末は、非核保有国に対する保障措置の適用が差別的に行われている事を明らかに物語っている。軍事転用可能なプルトニウムを70kg 以上も自国の機関において蓄積する事を許可するような宣言を、国際原子力機関が行うなどという事は到底想像できない。例えば北朝鮮が大量の軍事転用可能なプルトニウムをヨンビョンにある再処理施設に残す事を決定したと宣言したとしたら、当然それを受け入れないだろう。ところが日本の場合にはそれを問題にされていない。 

(次回に続く)

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