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2006年7月 9日 (日)

核問題1(その6)

グリーンピース・レポート「不法なプルトニウム同盟」の紹介(2)

  原子炉で人工的に作られるプルトニウムは、核兵器用に転用可能な爆発物質であり、従って世界で最も危険な物質の一つである。全ての原子炉はプルトニウム生産の基本的装置であるが、その内の一つ、高速増殖炉(FBR)は(1)商業炉からの使用済み核燃料の再処理と化学分離によるプルトニウムが必要であることと、(2)高品位プルトニウムを作る能力があるという理由で、特に核拡散のリスクが大きい。

  1990年代までに、何十基もの高速増殖炉(FBR)を建設しようとした世界の核産業の計画は、技術的失敗と経費のかかりすぎのため、さらにはそれが生じさせる核拡散の脅威と相まって断念、中止されてきた。

  アメリカのエネルギー省の商業用増殖炉計画<クリンチ・リバー増殖炉>も建設が始まる前の1983年にアメリカ議会によって止められた。オークリッジ国立研究所とハンフォード工学開発研究所がクリンチ・リバー増殖炉からの核燃料を再処理する目的で、共同で研究開発が進められ、ハンフォードの核燃料・材料評価施設に作られることになっていた増殖炉再処理工学試験(BRET)は中止された。

  しかしエネルギー省内部と研究所での契約研究者の双方は基礎知識を維持し、技術を開発し続ける決心をした。

  ここに世界でただ一国だけが、失敗した増殖炉の夢に固執してすがりつき、その開発に莫大な資金を注いで、“プルトニウム経済”を追求し続けている。その国が日本である。

オークリッジ国立研究所の公文書によると、「日本の動燃(現、核燃料サイクル開発機構)との協力によって、米国は専門技術の核心部分を維持することができる。もし、研究所と米エネルギー省が、より高度な核燃料サイクル技術の将来方向を研究する実行可能で長期間を要する作業にとりくむならば、技術的専門家たちは核再処理分野の開発にこのまま進んで行くことができる。」

“幅広い協力を望む”と奨励したのは米エネルギー省であった。

1987年1月に「リサイクル機器試験施設(RETF)]の開発の協力を取り決めた日米協定が、米国側はエネルギー省の代理ジェームスWボーガン(James W.Vaughan)と日本の動燃事業団・石渡鷹雄によって調印された。8ページ、14条と、実施される事業の技術的な範囲と時間的な枠組みをきめた6ページの「技術プラン協定への補遺」からなる。日本が公にすることを避けたいとしたため、この協定は広く公表はされなかった。

一見何の問題もないような名称の「リサイクル機器試験施設(RETF)」は、実は動燃が建設したもう一つのプルトニウム再処理工場であり、東海村に建設されている。

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