イランの核開発問題(2)
イランの核開発については国際原子力機関(IAEA)が8月31日に公表した報告書について書きました。報告はイランが164基の超遠心分離器からなるカスケードによってウラン235が5%以下の濃縮ウランを26トン作成したこと、さらに164基のもう一組の超遠心分離器のカスケードを予定していることも明らかにしたこと、しかし核兵器開発を目指している証拠はなかったというものでした。
その後IAEAは11月14日に報告書でイランがウラン濃縮を進めていることを指摘するとともに、IAEAによる査察に対する協力が不十分であると結論付けました。これは8月31日に国連安保理に提出した報告書以降の動きをまとめたもので、時事通信社によると二つ目のウラン濃縮のための遠心分離機164基の設置を終わり、
10月13日に濃縮ウランの原料となる六フッ化ウランの注入実験が始まり、8月13日から11月2日までの間に注入された六フッ化ウランは計約34キロに上り、5%未満の低濃縮ウランが製造されたといいます。
またアハマディネジャド大統領は14日の記者会見で、長期的にはウラン濃縮のための遠心分離機6万機の稼動を目指す方針を示しました。(赤旗11月16日)
こうなると核兵器開発を目指しているといわれてもおかしくないでしょう。これは北朝鮮の核実験が核開発指向を助長したかもしれません。核拡散を防止しようとする多数の非同盟諸国と共に北朝鮮の暴挙に対し抗議すべきです。
しかし一方非核国に対しても核先制攻撃を戦略とする米国は、1万発を越える核弾頭が使用期限がなくなるにつれて、それを補う新型の小型高性能の核を開発することを公然と表明しています。核拡散防止条約を無視する横暴きわまる米国に対してもより強い抗議の声を上げるべきでしょう。
まして世界で唯一原爆を投下された日本が、核武装問題を議論すると内閣の要職者が言うに及んでは唖然として言葉を失います。
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